「運行管理者」は事業用自動車の安全運行を管理する資格者です。
運行管理者として選任されるためには、自動車運送事業の種別(旅客、貨物)に応じた種類の
運行管理者資格者証を取得する必要があります。
運送業許可は運搬するものが「人」か「貨物」により種類が分かれているので
バス、タクシーは「旅客」、トラックは「貨物」の資格が必要です。
ここでは、「貨物」の運行管理者について説明いたします。
運行管理者になる2つの方法
運行管理者資格者証を取得するためには、次の2つの方法があります。
1.運行管理者試験に合格する。
[受験資格]
まず、この試験を受けるためには受験資格を満たしていないといけません。
受験資格を満たすために日数を要するので注意が必要です。
次のいずれかに該当する必要があります。
イ.実務経験1年以上
試験日の前日において、自動車運送事業(貨物軽自動車運送事業を除く。)の用に供する事業用自動車又は特定第二種貨物利用運送事業者の事業用自動車(緑色のナンバーの車)の運行の管理に関し、1年以上の実務の経験を有する方。
ロ.基礎講習修了
国土交通大臣が認定する講習実施機関において、平成7年4月1日以降の試験の種類に応じた基礎講習を修了した方。
貨物自動車運送事業輸送安全規則に基づき
国土交通大臣から認定された講習実施機関で基礎講習を受講された方は、
貨物試験の受験資格となります。
ハ.基礎講習修了予定
国土交通大臣が認定する講習実施機関において、試験の種類に応じた基礎講習を受講予定の方
(試験日の前日までに基礎講習を修了予定の方)。
[試験科目]
次に掲げる法令等(法令に基づく命令等を含む。)について筆記で行います。
出題数は30問で下記の分野から出題されます。
法令等の改正があった場合は、法令等の改正施行後6ヵ月は改正部分を問う問題は出題しません。
[分野毎の出題数]
分 野 | 出 題 数 |
---|---|
(1)貨物自動車運送事業法関係 | 8 |
(2)道路運送車両法関係 | 4 |
(3)道路交通法関係 | 5 |
(4)労働基準法関係 | 6 |
(5)その他運行管理者の業務に関し、必要な実務上の知識及び能力 | 7 |
合 計 | 30 |
合格基準
次の①及び②を同時に満たす得点が必要です。
① 原則として、総得点が満点の60%(30問中18問)以上であること。
② 上記分野の(1)~(4)の出題分野ごとに正解が1問以上であり、(5)については正解が2問以上であること。
[問合せ先]
※最新の詳しい情報は必ずご自身で下記へお問合せしてください。
◎基礎講習に関する問い合わせは、自動車事故対策機構
◎運行管理者試験に関する問い合わせは、運行管理者試験センター
2.一定の実務の経験その他の要件を備える。
取得しようとする運行管理者資格者証の種類(旅客、貨物)ごとに、
それぞれに応じた種別の自動車運送事業(貨物軽自動車運送事業を除きます。)の
事業用自動車の運行の管理に関し5年以上の実務の経験を有し、
その間に運行の管理に関する講習を5回以上受講していること等の要件があります。
運行の管理に関する講習として、
自動車事故対策機構が行う基礎講習及び一般講習が認定されており、
5回以上の講習のうち、 少なくとも1回は基礎講習を受講している必要があります。
まとめ
最短で「運行管理者」になるためには、試験に合格することです。
ただし、運行管理者試験は年2回しかないため、もっと早く資格者が欲しい場合には
資格者を雇用することを検討しましょう。
もしも、運行管理者が1人しかいない運送会社で
その運行管理者が退職してしまうと、運行管理者不在で法令違反状態になってしまいます。
監査が入れば行政処分の対象となります。
運行管理者の不在違反で20日車、さらに点呼実施違反で10~20日車になるようです。
日車とは、その期間事業用車両1台を運転できなくなるので
20日車であれば、20日間営業できないということです。
運送会社にとっては大きいダメージですね。
輸送の安全を確保するためにも
安心した経営体制をとるためにもリスク回避として
運行管理者は数人を確保することがベストです。