一般貨物自動車運送事業を始めようとするときの
要件の一つに「人」の要件があります。
「運行管理者」「整備管理者」「運転者」「専従役員」
今回は、その中で「運転者」について説明いたします。
運転者にも要件があるの?
一般貨物自動車運送事業に従事する運転者にも一定の要件があります。
「常時選任」の運転者でなければいけないとされ、
具体的に運転者となることができない者が法に列挙されています。
- 日々雇い入れられる者
- 2月以内の期間を定めて使用される者
- 試みの使用期間中の者(14日を超えて引き続き使用されるに至った者を除く。)
上記より、日雇いの運転者はダメですし、2ヶ月以内の短期雇用のものも
運転者としてなることができません。
よくある質問で、「派遣社員はダメですか?」と聞かれますが
運輸局へ確認したところ「派遣社員はダメ」という規定はないそうです。
また、出向の社員に関しても大丈夫です。
ただ、気をつけておかなければいけないのが「運転免許の区分」です。
大型トラック5台で、運転者5人の場合、運転者要件を一見満たしているのでよさそうですが
運転者に大型免許を持っていない人がいる場合
その人は当然運転できないので、運転者としてカウントすることができません。
初任運転者は運転する前にチェック!
初めての運送事業開業時には、申請添付書類として求められないので、
意外と忘れてしまうかもしれない項目をチェックしておきましょう。
もし不備があればトラックの適正機関の巡回指導の際に指摘されてしまいます。
初任運転者に特別な指導
輸送安全規則に基づき運転者として常時選任するために新たに雇い入れた者に対して
その事業所においてはじめてトラックに乗務する前に実施することとなっています。
ただし、やむを得ない事情がある場合は、乗務を開始したのち1ヶ月以内に実施が必要です。
指導した際には、記録を忘れずに残しておきましょう。
◎指導内容は
1.トラックの安全な運転に関する基本的事項
2.トラックの構造上の特性と日常点検の方法
3.交通事故を防止するために留意すべき事項
4.危険の予測及び回避
5.安全運転の実技
適性診断
初任運転者に対しては、その事業者においてはじめてトラックに乗務する前に適性診断(初任診断)を受診させます。
適性診断とは、自動車の運転に関する長所、短所といった「運転のクセ」を様々な測定により見い出し、
それぞれのクセに応じたアドバイスを提供することで、交通事故防止に活用するものです。
自動車事故対策機構NASVAにて適性診断を受診することができます。
運転記録証明書
雇用する運転者に「運転記録証明書」を提出させましょう。
もし事故惹起者であれば、それに相当する特別な指導、適性診断が必要となります。
まとめ
運転者を雇用する際には、ただ単に運転免許証を持っていればいいわけではありません。
運転者は、お客様の商品を預かり輸送の安全を確保するという使命感が必要になりますね。
雇用の後も、適切な指導教育が必要となります。