「整備管理者」の制度は、車の使用者が道路運送車両法の規定により
その使用する自動車の点検、整備、車庫の管理について
自主的に安全保全、環境保全を図るため注意を払うべきなのですが、
車両台数が多い運送事業者は、自ら点検、整備について管理することが
困難になり、管理責任体制があいまいになる恐れがあるので
「整備管理者」を選任することで、事業者に代わって車両管理を行い
管理・責任体制を確立し、自動車の安全確保、環境保全を図るために設けられたものです。
整備管理者の選任
一般貨物自動車運送事業者は、5台以上の車両数がある
使用の本拠の位置ごとに整備管理者を選任しなければいけません。
一般貨物の車両基準は5台以上なので
必ず整備管理者を選任しなければいけないということになります。
もし、整備管理者が退職などで不在となった場合には
行政処分の対象となります。
運送事業には必ず必要な資格者なので
実務経験を積むなどで資格要件を満たすよう計画するとよいでしょう。
整備管理者の選任届出
事業者は、整備管理者を選任したときには「選任届」を届出しなければなりません。
この選任届出は、事業者が選任してから15日以内となっています。
整備管理者の資格要件
車両法施行規則により、整備管理者として選任できる資格要件が定められています。
次のいずれかの要件を満たす必要があります。
・自動車整備士技能検定の1-3級合格者
試験に合格したもので、わかりやすい要件です。
・2年以上の実務+研修
整備の管理を行おうとする自動車と同種類の自動車の点検、もしくは整備又は
整備の管理に関して2年以上実務の経験を有し、
地方運輸局長が行う研修を修了した者であること。
この要件の解釈は結構難しく、運輸局で相談したときにも
担当者によって微妙に解釈が違うように感じました。
詳細は、ご自身で確認してください。
※一般的な解釈として
「点検又は整備に関する実務経験」とは、
・整備工場、特定給油所等における整備要員として点検・整備業務を行った経験。
・自動車運送事業者の整備実務担当者として点検・整備業務を行った経験。
「整備の管理に関する実務経験」とは、
・整備管理者の経験。
・整備管理者の補助者として車両管理業務を行った経験。
・整備管理者として車両管理業務を行った経験。
「地方運輸局が行う研修」とは、
・運輸支局の選任前研修の修了証明書を有していること
また、整備管理者の資格を地方運輸局長の解任命令を受け、
解任の日から2年を経過しないものは整備管理者になることはできません。
まとめ
資格要件で整備士の資格を合格していれば問題ありませんが
実務経験で申請する場合は、解釈により要件を満たさない可能性もあります。
整備管理者不在は行政処分対象ですので
人員確保は十分気を付けましょう。